拡張性を備えたフォーマット

 

シンプルなジョイントで構成された組立式の家具「KIT」が生まれた背景

「KIT」シリーズが初めて登場したのは2021年ですが、その背景には2019年に発表された「RAY」バナースタンドシステムがあります。

RAYは、デザイナーのイトウケンジ氏がデザインしたもので、工具を使わずに簡単に組み立てられるポールスタンドです。

この製品は、バナーを吊るす用途だけでなく、間仕切りやハンガーラックとしても柔軟に使える点が特長です。「RAY」は、現在でも「SHOP COPACK」というECサイトで取り扱われています。

 

 

RAYで使用されていたジョイントシステムをベースに、ヒノキ材を使用したカラーMDFの棚板を組み合わせたシェルフが「KIT」シリーズのスタートとなりました。

このシェルフを含む初期のプロダクトは、2021年10月のインテリアライフスタイル展で初披露されました。

 

 

その後、「KIT」シリーズは徐々に拡充され、現在ではテーブル、デスク、シェルフ、ハンガーラック、サイドテーブル、スタンドミラー、ベンチ、コートスタンドなどの家具に加え、ブックエンド、ケーブルボックス、トレー、ペン立てといった小物もラインアップに加わっています。

シリーズの家具は、25.4mm径の塗装スチールパイプを基本とし、ブラック、ライトグレー、インダストリアルグリーンをメインカラーとして、ネイビーやダークグレー、ブリック、イエローといった色も展開しています。

もともと日本コパックは、店舗備品や什器の製造に特化したメーカーであり、「KIT」はコントラクト用什器としてだけでなく、家庭用家具としても利用できるように設計されています。

また、個々の物件やニーズに応じたサイズ調整が可能で、業務用什器としての耐久性も兼ね備えています。

 

イトウケンジ氏のデザインと、日本コパック株式会社の業務用什器のノウハウから生み出されたRAY、そしてKITへの進化の中で、色、形、素材に新しい視点を加え、日常の空間に自然と溶け込むプロダクトが生まれました。

KIT は、環境や目的に合わせてアイテムを選べるだけではなく、発注時のサイズの調整や色の変更など、少量生産だからこそ対応できる仕組みを積極的に取り入れ、いまの時代に適したインダストリアルな家具開発に取り組んでいます。